修了検定と卒業検定に合格するために

合宿免許では、技能教習が各2段階に分かれていて、その中で規定の時限数と修得基準が定められています。
まず1段階の技能の最終試験を修了検定、略して修検と言います。2段階の技能の最終試験は卒業検定、略して卒検と言います。この2段階の検定試験に合格する事で路上で運転できる技能が身に付いたという事で教習所を卒業できるようになります。
ここでは終了検定や卒業検定では何をするのか?合格の基準はあるのか?を説明します。

修了検定は基本走行が大切です

修了検定は技能の第二段階へ行く事、つまり路上教習を行うために必要な技能が身に付いているかを審査する場内の技能試験です。路上に出るためには仮免許証が必要になります。仮免許証を取得するためには、仮免学科試験という筆記試験と、修了検定という技能試験にパスする必要があります。
修了検定は教習所のコース内で実施され、検定員が当日コースの説明を発表します。検定試験は減点方式で行われ持ち点100として70点以上残っていれば無事合格となります。従って減点対象とされる行為(減点の行為は信号無視や接触等の1発でoutなもの、20点、10点、小さなミスの場合は5点と様々です)を何回も行ってしまうとあっという間に検定中止となり不合格となります。
また検定員がブレーキ等の補助をした時や指示とは反する行為を行った時もその場で中止になります。

修了検定で課題とされる主なポイント

乗車からコース走行、課題走行から降車まで厳しく採点されます。

  • 乗車における課題:ドアの開ける際の後方確認、シートベルトの装着、ルームミラーの調整、クラッチとブレーキを踏む、エンジンの掛け方等
  • コース走行:ウィンカーの出し方、外周の走行、直線で規定速度を出す(走行中に何キロ出してと指示があります)
  • 進路変更:安全確認(ルームミラー、合図、ドアミラー、目視の手順)を行い変更する
  • クランク、S字:内輪差に気をつけて脱輪せずに走行する。車の前方だけみずに、道路の形状を捉え視野を広く事がポイント。修了検定の中で不合格になる人が多い課題です。※脱輪した場合は正しい順番で脱出する必要があります。そのまま進んでしまうと一発で不合格です。
  • 坂道発進:坂道の真ん中で一時停止し発進がスムーズにできるか。MT車の場合半クラッチを上手く行う事ができるかがポイントです。

他にも踏切通過や交差点での右左折など課題がありますが、一番の大きなポイントは基本に忠実に運転操作ができているか、ルールに従って走行できているかです。
これらの課題は全て前の技能教習で習ってきたものですので、今まで学んできた技能をそっくりそのまま出し切れば合格できない理由はありません。
特に意識する基本事項は進路変更時の安全確認の時です。検定員に「しっかり確認したという意思が伝わるように」少し大げさな位に行った方がいいでしょう。
この安全確認は何の意図を持って行う行為なのか理解するのと、しないとでは身体の向き加減や目線など違いが出てきます。
検定員はプロですので、しっかりそこらへんの理解力等も見てくるでしょう。

卒業検定の攻略方法

技能の最終試験に当たるのが路上で行う卒業検定になります。卒業検定に合格すれば全ての過程が修了し教習所を卒業する事ができます。
卒業検定のポイントは実際路上に出た時にスムーズに他の車の流れに沿って正しい判断のもと走行できているか、周囲の障害物の認識し安全に走行できるか、歩行者の保護になります。
こちらも修了検定と同様に持ち点100として70点以上で合格となります。
検定コースは開始時間1時間前に発表される場合が多いです。縦列駐車や方向変換(車庫入れ)はコース内で行いますが、それ意外の課題は路上で行われます。
点数は路上とコース内の合計で計算します。また教習生のグループ(基本3人)で行い、一人は運転者もう二人は後部座席でその内容を見る事になります。

卒業検定で課題とされる主なポイント

乗車から下車まで:これは修了検定時と同様で基本中の基本です。
ならし走行:こちらら採点されませんので、緊張をほどき感覚を掴みましょう。
路上走行:指定のコースを安全に走行できるか、路端への停車及び発進の手順。
場内課題:方向変換右と左(右バックと左バック)、縦列駐車のうちの1つが実施されます。どれが実施されるかはわかりませんので全てマスターする必要があります。
失敗する課題で多いのが縦列駐車です。簡単に言えば車と車の空いているスペースにバックで進入し駐車する事です。
スペースの3つ角にはポールがたっており、そのポールは他の駐車している車を意味しますので、当ててしまったら失格です。
最初の進入時が肝心で幅寄せしてポールに沿って進みます。(ポールとの幅は約80cm)。後方確認をしたらポールと平行になるように真っすぐバックし一時的に停止します。
一時停止の場所は前方のポールと自分の車の後橋が揃う所です。その位置でバックギアに入れハンドルを切ります。
自分の車のドアミラーに左奥のポールが見えたら停止し、バックで少し下がります。車の先端と前方のポールが揃った再度ハンドルを切りながらバックし駐車を完了させます。
重要なのはドアミラーの使い方で自分の車とポールの位置を把握する事が肝心です。
指導員によってバックしやすいハンドル切り方や切る場所など秘密の方法がありますので、指導員の言葉にしっかり耳を傾けて何度も練習する事です。
縦列駐車を完璧にマスターすれば卒業検定合格へだいぶ近づいたと言えます。

不合格になった場合は?

不合格になった場合は1時限の補習を受ける必要があり、追加費用がかる場合があります。教習所によって異なりますが、補習や検定再受験料は5,000円位かかると思って下さい。
何度も失敗するとその都度料金が発生しますので、真剣に取り組みましょう。
もし自分がある程度失敗するだろうと思っているのであれば追加料金がかからない安心コースに申し込むのも一つの方法です。
ただし入校後はコースの変更はききませんので、予約時に申し込む必要があります。
また検定で不合格の場合は、当日は再受験できませんので卒業予定日も延長されることを頭に入れておきましょう。

合格の近道はミスを具体的に分析して修正する事

分析が結果を出す

失敗したらどの部分で、どのような内容なで失敗したかしっかり指導員と一緒に確認する必要があります。その時はより具体的な話をしましょう。
例えばギアが上手く入らない場合は、クラッチペダルに置く足の位置なのか、踏み込む力加減なのか、位置と力の程度の確認を行い、どちらが原因で失敗したのか?また方向変換で失敗なら、最初の進入時野幅寄せでつまづいたのか?それともハンドルの切る位置を間違えたのか、ハンドルを切る位置で間違えたなら、後部ドア付近が縁石のどの位置に見えたら切るのか、その車体幅と内輪差と縁石の関係など、出来るだけ具体的にミスの内容確認し、次の時間に徹底的に練習する方がいいでしょう。
曖昧で、後に回してはダメです。その教習時内に改善する位の気持ちでやらないとミスするポイントがどんどん重なっていく可能性があるので、その都度解決する必要があります。

コミュニケーションを取り情報を探る

このような細かいアドバイスはどの指導員全員が同じレベルで教えてくれるわけではありません。基本となる教習アドバイスはありますが、同じアドバイスでも人により言い回しが異なります。
ですので大切なアドバイスをしていても教習生によっては伝わりにくい場合があるので、教習生は不明な点があれば臆せずにどんどん質問して下さい。
指導員から的確なアドバイスを得るためにはある程度自ら進んでコミュニケーションを取り情報を探る必要があります。常に指導員と距離を近く置いていれば、指導員も常に気をかけてくれてより具体的なアドバイスが聞けると思います。
変な話指導員をどんどん利用しましょう。また他の教習生に失敗した所を聞く事も重要な対策だと言えます。同じ箇所で失敗しているのであれば、お互い情報交換をし対策が見つかるパターンが多いです。
同じ釜の飯を食うという諺があるように教習所内での仲間は指導員、他の教習生も含めてかけがえのない存在です。
共通の問題点を共有できる仲間との触れ合いこそ合格の近道と言ってもいいでしょう。

採点基準を考える

検定は減点方式です。どのような行為が失敗で何点減点されるか基準があります。
予め減点される行為とわかっていれば、そのポイントに注意して教習を受ける事が可能です。
点数までわかっていると心理的に負担になる場合がありますので公表しません。

主に失敗しやく減点される行為

  • 合図不履行
  • 安全不確認
  • 進路変更違反
  • 脱輪のまま進む
  • 横断者保護違反

上記の様に多技にわります。
検定終了時も気を引き締めて下さい。停車してドアを開けた後もまだ検定中ですのでしっかり安全確認を行ってから降車して下さい。
つまらないミスを重ねて検定中止になるのが一番バカらしいです。

検定で不合格になる人の傾向

もちろん技術的に問題がなければ合格になりますが、不合格になる教習生の共通点をよくよく調べると意外な事実がわかりました。

  • 教習手帳や集合時間など忘れルヒト
  • 当日、検定試験について説明を聞かない人
  • 挨拶や礼儀を知らない人
  • 服装がだらしない人
  • くよくよする人

主な共通点はこの5つですが、これは運転技術の話ではありません。どちらかというと学生生活で学ぶ生活の基本的なあり方です。
逆にこの5つがしっかりしている人は運転技術に問題なくスムーズに卒業できると言えるでしょう。
検定の採点は感情では一切行いませんが、検定員も人間ですので検定時に印象が悪いと、いい結果を出しづらいかもしれません。
考えてみれば人間的に当たり前の事ができない人が、路上で運転なんて出来ないはずです。
また失敗をずっと引きずる人はいつになっても合格できません。気持ちを切り替える事も大切な対策です。

まとめ

合格する人と不合格人なる人の差は、失敗した時点で対策しているかということになります。
またそのためにはある程度指導員とコミュニケーションを取り、情報を引き出す事が重要です。
失敗したらまずは自分の感情と向き合い、ウジウジせずに次のステップに向けて挑戦しましょう!頑張るあなたを検定員は必ず見ています。その時こそアピールするチャンスです!
お願い車に「検定中」とかかれた車をみかけたら、試験の真っ最中だなと思って、教習生の気持ちを考えて近づきすぎたり、猛スピードで追い越したりしないように気をつけて下さい。